苫米地博士が語る、フェイスブックが発行する“リブラ”が創る衝撃の未来社会

更新: 2019年7月9日

苫米地英人

フェイスブック(Facebook)が、独自の仮想通貨リブラ(Libra)の発行を発表しました。

TOKYO MXの番組「バラいろダンディ」(2019年7月1日放送)の中で、脳、人工知能を専門とする科学者である苫米地英人博士が、この件について解説されました。
その要点をまとめてみました。

参考図書
苫米地英人 著「2050年 衝撃の未来予想」(TAC出版)



今回のG20で「リブラ」がボロボロに叩かれました。
その理由は、G20の後ろに居るのがウォールストリートであり、各国の民間銀行たちだからです。

フェイスブックは、ふたつのブロックチェーンコインを発行します。
一つは、投資家に販売するセキュリティトークン(※配当付きの証券型通貨)です。
もう一つは、そのセキュリティトークンを販売した資金を利用して発行するステーブルコイン(※価値が変動しない通貨)です。

このステーブルコインの価格が安定する理由は、投資家から集めた多額の資金がその担保になり、さらに万一それが足りなくてもフェイスブックの圧倒的な時価総額が担保としての裏付けになるからです。
発行元としてリブラ協会という独立団体が設立されます。
もし、リブラが貸付を開始すれば、民間銀行に代わり信用創造をフェイスブックが行うことになります。そうなれば事実上の銀行になってしまいます。
不動産売買など大口の取引をリブラで出来るようになれば、本格的な信用創造になります。

フェイスブックのユーザーは24億人です。それに対して、円のユーザーは1億3千万人、これから発行が計画されているMUFGコインのユーザーは3400万人に過ぎません。
ブロックチェ―ンを利用するコストは安く、また、フェイスブックは大量の個人情報を持っているので、そこにAIシステムを組み込めば物凄い信用創造が出来ることになるので、ドルを超える国債基軸通貨になってしまいます。
フェイスブックが中央銀行と民間銀行の機能を提供することになるので、各国の中央銀行が要らなくなり、世界中のすべての民間銀行が経営危機に陥るでしょう。

このことによって、FRB創設から続く民間銀行による信用創造の独占が破壊されることになります。
財政赤字を行い、国債を発行することによって、財政赤字分と同じ金額のお金が民間に流れ、国債を売った資金で公共投資行うとお金が2倍に増えるという仕組みがこれまで強い政治力を持ってきました。
これまでの政府がやってきたこのやり方がもう出来なくなり、フェイスブックが世界政府になっていきます。

こうなると、Google、Apple、Amazonなども同じ事業に参入してくるでしょう。
さらに、世界のトップ10の銀行、すなわち中国の4大銀行と、ゆうちょ銀行、三菱UFJ銀行、JPモルガンチェーズ、HSBC、バンクオブアメリカ、ウェルズファーゴなども参入してくることが考えられます。
みずほ銀行、三井住友銀行などは規模が少し小さいので合併して参入してくる可能性があります。
その他のレベルでは国がやるしかないので、イングランド銀行やロシア中央銀行が参入してきます。
これ以外の民間銀行はすべて潰れる可能性があります。

この流れによって、社会はどのように変わっていくのでしょうか。
最終的には、通貨は中央発行者という概念のないユーティリティーコインに移行してきます。
銀行権力の力が無くなるので、富と権力の集中がなくなります。
中央銀行が政府をお財布代わりにする財政赤先行政策が出来なくなります。
インフレ政策は政府の都合なので、インフレもデフレもなくなります。
複数の自由通貨が誕生し、私たち市民は、それぞれの通貨を発行する複数のバーチャル国家の市民になります。
公共サービスもそれそれのバーチャル国家が担うようになるのて、各自で自分が市民となるバーチャル国家を選んでいくようになるのです。